『中学受験どっくす』のマナトです。
今日は、社会の勉強方法を通して“記憶の方法”を整理します。

短期記憶と長期記憶という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
簡単に言うと、一時的な記憶と、ずっと残る記憶ですね。

その長期記憶も「意味記憶」と「エピソード記憶」に分類できます。
それぞれの特徴を見てみましょう。

意味記憶
(≒知識)

一般的な知識・情報に関する記憶のこと
例:地球の公転周期は1年、掛け算九九、承久の乱は後鳥羽上皇・・・

エピソード記憶
(≒思い出)

自分にとって特別な、個人的な意味を持つ記憶のこと
できごとの時間や空間、その時の感情などを伴うもの

例:10歳の誕生日に家族で遊園地に行って楽しかった記憶・・・

参考:AllAbout「エピソード記憶と意味記憶の違い・具体例」

中学受験4科目の中でも「社会」は膨大な暗記量が必要です。
特に、日本史を知識として機械的に憶えるのは大変な苦行でしょう。

例えば、【1221年-承久の乱-後鳥羽上皇】という知識セットを、
単純な「意味記憶」として定着させるのは困難です。

そこで活躍するのが「エピソード記憶にする!」という方法です。
具体的な方法の例を見ていきましょう。

まず、1221年という年号について、

〇1185年や1192年といった鎌倉幕府スタートから数十年後の話
〇人に不意(1221)打ち承久の乱(※語呂合わせ)

など、大まかな時代感+語呂合わせなどでエピソード化します。

ワンツーツーワン!(1221)みたいなちょっと無理のある語呂でも、
リズミカルで頭に残るならそれもまたエピソードと言えます。

私は当時、上皇が「イニニィ~!」と力んでいる姿を思い浮かべました。

とにかく、教科書の知識を自分だけの知識に変換する作業が大切です。

次に、できごとや人物に対する大まかなイメージを持ちます。

〇鎌倉幕府3代将軍、源実朝が暗殺されたあとの話か~
〇後鳥羽上皇と鎌倉幕府の仲が悪くなって大ゲンカしたんだな~
〇北条政子の「将軍の御恩忘れるな~」という演説あったな~
〇幕府側が勝って後鳥羽上皇は隠岐に流されたんだな~
〇朝廷を見張らないと危ないから六波羅探題置かれたな~

最初はこんなに細かくなくてもよいですし、
逆に、細かすぎていてもイメージが持てるならそれでOKです。

できごとの前後が含められたストーリーになっていると理想的です。

歴史の場合、学校や塾の先生は「史実」を無視した指導は難しいと思いますが、
初めて学ぶ段階では「良い加減なエピソード」でいいと思っています。

後鳥羽上皇

武士のくせにリーダーっぽくしてるのダルいわ~
勉強もスポーツもできる僕が実権を握るべきだ。
将軍がいなくなった今が攻め時だな。
僕が言えば日本中の武士が味方してくれるでしょ。

最初はこのくらいの大まかなエピソードイメージを持って頭に入れ、
次に出会った時や深く学ぶ時に誤りを修正すればいいのです。(※)

特に、「人が考えることなんて、今も昔も大体同じ」という発想に立ち、
身近な人間っぽさを強調して人物イメージを形作りながら、
細かいエピソードを補強して事件や流れを頭に入れていく、というのは、
歴史を憶える上で私がよくやってきた方法です。

歴史漫画などはこういったエピソード記憶を助けてくれるのですが、
親子で楽しく、一緒に”偏見”を作ってしまうのも一つの方法です。

歴史に限らず、「エピソード記憶化」は困った時に試してみたいですね。

(※)実際、幕府と上皇の関係がずっと悪かったわけではないそうです。
  気になる方は調べてみてください